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泣きながら ちぎった写真を
手のひらに つなげてみるの
写真というのは、過去の、ほんの一瞬を写したものです。
一眼レフカメラだと、通常、シャッタースピードは1/60秒以上の速さが必要で、これより遅いと、手ブレを起こしてしまいます。
つまり、写真は、1秒のわずか60分(ぶん)の1の、きわめて短い時間の過去の一瞬を写し取ったものといえます。
ところで、一回指をピンと弾く時間を60分割した時間の最小単位を、仏教用語では、刹那(せつな)といいます。
一般的には、刹那主義という言葉で使われますが、過去や将来のことを考えないで、ただ現在の瞬間を充実させて生きればよいとする考え方で、悪く言えば、今さえよければと、一時的な快楽を求めようとする生き方にも通じます。
そういう主義の人は、過去の写真を大切に持つことはないでしょうから、泣きながら、ちぎるってこともないし、また、ちぎったあとで、後悔して、手のひらでつなげてみることもないでしょう。(笑)
悩みなき 昨日のほほえみ
わけもなく にくらしいのよ
悩みなき昨日とはいえ、もちろん、昨日だって、悩みがなかったわけではないでしょう。
スカートにしようか、パンツにしようか、あるいはカレーにしようか、お蕎麦にしようか、…いろいろ悩んだことでしょう。(笑)
ケーキにしようか、饅頭にしようかとも、悩んだかな。(笑)
でも、悩みは、いつも現在進行形…。
いま抱える悩みが、人生最大の悩みになるのです。
青春の うしろ姿を
人はみな 忘れてしまう
あの頃の わたしに戻って
あなたに会いたい
青春のうしろ姿、忘れてしまう…って、言われましてもですね、まだ痴呆にはいたってませんけど、青春に、うしろ姿があるなんて、忘れる前に覚えてませんよ。(笑)
青春のうしろ姿っていうと…、やはり、後頭部は、相当、薄くなってきているのでしょうか。(笑)
あるいは、お尻が垂れてきて、身体の線が無惨に崩れてきているのでしょうか。(笑)
で…、青春ってなんだ!! (笑)
…と、ここまで書いて、次に、青春ってなんだ!!…と、青春について、ツラツラ書こうと思いましたが、青春については、「太陽がくれた季節(青い三角定規)」にも、「青春時代(森田公一とトップギャラン)」にも書いていたのを、やっと今、思い出しました。(笑)
やや認知症に近づいているかな…(^^ゞ (笑)
暮れかかる 都会の空を
思い出は さすらって行くの
光る風 草の波間を
かけぬける わたしが見える
智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。
この智恵子というのは、僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る…という「道程」という有名な詩で知られる高村光太郎さんの妻である高村智恵子さんのことです。
この詩は、高村光太郎さんの詩集、「智恵子抄」に納められている有名な「あどけない話」という詩。
智恵子さん自身、東北の福島高等女学校から日本女子大に進んだ才媛で、新進の女流画家として活躍をはじめたときに、光太郎さんと出会い、相思相愛の恋人として、そして妻として、日々の生活の中で、高村光太郎さんの芸術家としての活躍を支え、のち精神を病んで、肺結核で亡くなります。
理想主義詩人として、また口語自由詩の確立者として、また彫刻家として、著名となった高村光太郎の愛妻として、後世に名を残しましたが、その最愛の夫に尽くす一方で、画家として自らの才能を活かせることができない芸術家としての心の葛藤が、寿命を縮めたとも言われています。
都会の東京で活躍する夫を支え、そして病に伏した病床の愛妻の望郷の念を、ただ優しい夫の眼差しで見つめるだけで、「あどけない話」として詩に詠んだ、二人の心のすれ違い…。
互いに愛しあっても、知らずに、傷つけてしまう…。
青森県十和田湖畔に立つ高村光太郎さんの「乙女の像」は、亡き愛妻の面影を忍んで制作したものと言われています。
いま愛を 捨ててしまえば
傷つける 人もないけど
少しだけ にじんだアドレス
扉にはさんで 帰るわ あの日に
あの頃にかえりたい…、人はみなそう思います。
ウォルト・ディズニーのファンタジー映画「ピーターパン」は、永遠の少年ピータパンと妖精ティンカー・ベルの案内で、夢の島にある子供の国、ネバーランドに連れて行ってくれます。
あの頃にかえることができます…でも、かえりすぎかも。(笑)
なお、東京ディズニーランドの「ピーターパン空の旅」は、唯一、恐怖ではなく、感動したアトラクションで、ぼくのおすすめです。
あとの乗り物は、ほとんど失神していたから記憶にないです。(笑)
「You can fly !(君も飛べるさ)」
現代の極めて高度なストレス社会で、なにもかも閉塞状態にある大人の世界の中では、たまに、子供の頃のあの日にかえって、「夢を信じる心」を回復させることは、メンタルヘルス(精神衛生・心の健康)の観点から、大切なことです。
しかし、依存心が強く、自己中心的で、甘えや不安などの特徴を示し、社会的不適応、自立した大人になることを回避する「ピータパン症候群」になることもありますので、要注意ですね。
男性が「ピータパン症候群」なら、女性にも、白馬に乗った王子様がいつか迎えにくると信じて、何もかも待ち続ける依存症の「シンデレラ症候群」というのがあります。
まさしく、現代社会の病理現象です。
そう言えば、スティーブン・スピルバーグ監督の1983年(昭和58年)の作品に、トワイライトゾーン 超次元の体験(TWILIGHT ZONE THE MOVIE)というのがあり、短編のオムニバス形式のSFファンタジー映画ですが、その第二話に、ピータパンの話を彷彿させる、老人ホームの老人が子供の頃に戻る話があります。
多くの老人たちが、子供の頃のあの日にかえっていくのですが、一人の老婆だけは、なぜか、それを頑なに拒否します。
そして、エンディングでは…。
私だって、あの日にかえりたいわ。
しわひとつなく、若々しく、美しく輝いていたあの頃。
あの人たちにも、もういちど会いたい。
そして、楽しかった日々。
でも…。
あの日にかえったら、またあの人たちと、
…別れたあの日もやってくるのよ。
そんな悲しい想いを、また繰り返すのは、私は嫌…。
字幕スーパーだったし、かなり記憶もあやふやで…、こんな内容の話だったかどうかは、かなりあやしいです。(笑)
でも、スピルバーグ監督とマスター館長監督とのストーリー仕立ては、そうたいした違いはないので、これでよしとしましょう。(笑)
ともかく、あの日にかえりたい…、そう想うとき…、あの日の「わたし」も想い出しましょう。
あの日に戻れなくても、あの日の「わたし」は、いまの「わたし」の中で生きているのですから、あの日の「わたし」だけは、取り戻せることが、きっとできるはずですから…。
この青春音楽館では、ほかに「ひこうき雲」を掲載していますが、荒井由美さん、松任谷由美さん、…我が国におけるニューミュージックシーンにかかせない「ユーミン」ブランドです。
こういってはなんですが、個人的には、あまり、声の質的、容姿的には好きなタイプじゃないんです。(笑)
でも、好きな曲は多いです。
FMラジオのディスクジョッキーなどの語り口調や、そこからにじむ性格的には、結構、イケマスよね。(笑)
(初稿2003.3 未改訂) |