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想い出まくら」―小坂恭子

「飛鳥」と書いて、何と読みますか。
まさか、「ひちょう」なんて読む、「ひちょうしき(非常識)」な人は、この音楽館にには来ないでしようけど。(笑)
でも、どうして、飛ぶ鳥と書いて、「あすか」と読むのでしょうか。
飛鳥というのは、地名ですよね。
もちろん、人名で、チャゲさんとコンビを組んでいる、飛鳥さんもいることは知ってますけど…(^^ゞ ポリポリ(笑)

ともかく、諸説はいろいろとありますが、和歌などの修辞法に使われる枕詞(まくらことば)に関係すると言われています。
つまり、あおによし…奈良、たらちねの…母、ぬばたまの…夜、あしひきの…山などなど、組になる一定の決まりの言葉が枕詞で、「あすか」に掛かる枕詞は、「とぶとりの」です。

この「とぶとりの…飛ぶ鳥の」が転じて、「飛ぶ鳥」そのものを「あすか」と読むようになったといいます。
ちなみに地名としての飛鳥は、現在は奈良県高市郡明日香村で、飛鳥ではなく、明日香という字を当てています。なお、古事記、日本書紀では、飛鳥が主として用いられ、万葉集では、明日香が多く用いられています。
懐かしき歴史と古典のお勉強の時間でした。(笑)

想い出まくらの話に入るために、えらく長〜い前置きの言葉を置きましたが、この前置きの言葉…落語などで本題に入る前の短い話、小噺(こばなし)なども、まくら、あるいは、まくらを振るといいます…。
…が、国語や落語が苦手な人もいるでしょうから、そろそろ、このへんにしておかないと、枕を高くして寝られないという苦情がきて、枕を投げられそうです。(笑)

最後に、国語学習のおさらいとして(笑)、まくらを振るという用法のほかに、枕を並べる、枕を重ねる、枕を交わす、という用法も是非、覚えておいてください。
おそらく…試験には出ないと思いますが。(笑)

これらの言葉は、男女が共に寝ること、ベッドを共にするということ、など極めて、アダルトな意味合いが強い言葉です。
だから、使い方を間違うと、あとで赤面することになります。(笑)

ついでに、前述の「枕詞」を「枕言葉」と書けば、男女が同衾したときに交わす、その場限りの言葉、という意味です。
たとえば、その時に交わされた結婚の約束や指輪の贈与などの言葉は、単に枕言葉であるから、法律上の契約としては無効とされた判例もあるので、ご注意ください。(笑)

ちなみに、枕絵という言葉もあって、これは、男女の情交のさまを描いたHな絵、春画のことで、むかしは、箱枕(時代劇に出てくる箱型のまくら)の引き出しに入れて、性教育の未熟な娘の嫁入り道具として持たせたらしいのです。
うちの三歳の娘の枕絵は、アンパンマン。もちろん、アンパンマンやバイキンマンの絵が描いてある枕カバーの話ですが。(笑)

…さて、ほんまに、まくらは置いといて、本題に入りまひょか。(笑)

   そういえば いたずらに 煙草をすうと
   やめろよと取りあげて くれたっけ

最近は、特に若い世代の女性の喫煙者が増えているから、このフレーズも、時代がかかっていますね。
ともかく、健康のために吸いすぎに注意しましょうって、ヘビースモーカーのぼくが書いても説得力ありませんね。(笑)

   こんな日はあの人の 小さな癖も
   ひとつずつ ひとつずつ
   思い出しそう

こんな日って、どんな日なんでしょうか。
季節を示す言葉が出てこないから、冬なのか、春なのか、秋なのか、よく分かりませんが、多分、夏場ではないでしょう。
汗っぽい感じがしませんから。(笑)

   ゆらゆらと酔ったら うでに抱かれて
   髪なんかなでられて 眠りたい

まっ、室内空調完備のご時世ですから、夏場でも、エアコンをガンガン効かせれば、こんな風に、抱き合って寝ても、寝苦しくないかもしれませんd(^−^)ネ!

   こんな日はあの人の 想い出まくら
   眠るのが 眠るのが いいでしょう
   眠るのが 眠るのが いいでしょう

あの人は、どこに行ったのでしょうか。
想い出まくらを残して、どこへ去って行ったのでしょうか。
おそらくは、二度と逢えぬ遠い国へと旅立った、という設定なんでしょうか。
いいひとは惜しまれつつ去っていくものです。
そして、かたわらで、グースカといびきをかいて寝ている憎まれっ子のひとは、去らずにいつまでもいます…まあ、それが現実の話でしょうね。でも、まあ、それも、ひとつの幸せと、感じて眠るのがいいでしょう。(笑)

小坂恭子さんは、1974年の第7回ヤマハポプコンで、「恋のささやき」でグランプリを受賞しました。
前年の1973年第6回ポプコングランプリは、小坂明子さんの「あなた」で、同じ、小坂だったので、ときおり混同されたり、姉妹と勘違いされていますが、全くの別人です。

曲調は、ヤマハポプコンの入賞曲としては、かなり異質の感じがして、和製ポップスというよりは、なんか非常に艶っぽい、演歌っぽい感じの曲でした。

(初稿2002.4 未改訂)


想い出まくら

作詞/作曲 小坂恭子

こんな日はあの人の まねをして
けむたそうな 顔をして
煙草をすうわ
そういえば いたずらに 煙草をすうと
やめろよと取りあげて くれたっけ
ねえあなた ここに来て
楽しかった ことなんか
話してよ 話してよ
こんな日はあの人の 小さな癖も
ひとつずつ ひとつずつ
思い出しそう

こんな日は少しだけ お酒をのんで
あの人が 好きだった
詩をうたうわ
ゆらゆらと酔ったら うでに抱かれて
髪なんかなでられて 眠りたい
ねえあなた ここに来て
楽しかった ことなんか
話してよ 話してよ
こんな日はあの人の 想い出まくら
眠りましょ 眠りましょ
今夜も一人

ねえあなた ここに来て
楽しかった ことなんか
話してよ 話してよ
こんな日はあの人の 想い出まくら
眠るのが 眠るのが いいでしょう
眠るのが 眠るのが いいでしょう

1975年(昭和50年)
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