青春音楽館トップページへ

「裏切りの街角」―甲斐バンド

五月雨(さみだれ)は、五月の雨と書きますが、この五月は、旧暦(太陰太陽暦)の五月のことですから、今の六月上旬から、七月上旬にあたります。
この頃は、気象としては、日本の南岸から中国の長江流域にかけて前線 (梅雨前線) が停滞して長雨を降らせる現象が起こりやすく、つまりは、五月雨は、梅雨の雨のことをさします。

   雨にけむる街並を
   息をきらして駆け続けた
   つきささる吐息をはいて
   駅への道 駆け続けた

日本付近の梅雨前線は、冷涼なオホーツク海高気圧と、高温多湿な太平洋高気圧 との境目にあるため、むし暑さが伴う温暖前線と、冷湿風を伴う寒冷前線が発生してせめぎあいます。
東北地方の太平洋側では、オホーツク海高気圧から、山背 (やませ)と呼ばれる北東の冷湿な風が吹き、梅雨寒となって、農作物に冷害を与えます。
もっとも、いくら冷涼であっても、吐く息が、つききさるほど白くなることはないでしょうが。(笑)

   しとしと五月雨 わだかまり
   君さえいてくれたならば
   走る車の泥にたたかれ
   見上げた時 街が泣いてた

しとしとと、降りしきる五月雨…梅雨の初期は、紫陽花の花を、一雨ごとに染め上げるようにして、しとしとと雨が降り続きます。
しかし、後期に入ると大気が不安定になって、九州地方など梅雨前線の南側では、湿舌と呼ばれる水蒸気を多量に含む気団が舌状に張り出してきて、これらの地域に大雨と集中豪雨をもたらします。
大量の雨水で、まるで街が泣いているように見えるのもこの時期……って、次第に解説が、こじつけになってきました。(笑)
やはり、気象予報士の適性はないようです。(笑)

   とぎれとぎれに靴音が
   駅の階段に響いてる
   楽しく過ぎてゆく人ごみ
   キップを握った君がいた

お天気解説は、さておき、ここで問題です。
この靴音が響く階段は、どこの駅のことでしょうか。

分かります?、ファイナルアンサー?、
それでは…、正解は…。
…正解は…知りません。(^^ゞ 
でも、ともかく、ざぁ〜んねん。(笑)

この歌が流行ったときに、地元では、この駅が、国鉄(現JR)博多駅か、西鉄福岡駅か…の論争があったそうです。
山陽新幹線の博多開通の年なので、博多駅という説が有力ですが、まあ、どっちゃでもええ話しです。(笑)
どっちの駅にしても、甲斐バンドは電車ではなくて、想い出を走り出させるのでしょうから。(笑)

   しとしと五月雨 プラットホームを
   今 想い出が走りだす
   発車のベル 叫び声の中
   あの人が 見えなくなった

甲斐バンドは、リーダーの甲斐よしひろさんと、大森信和さん、長岡和弘さん、松藤英男さんのグループで、この歌のヒットのあと、しばらくしてから、「HERO(ヒーローになる時、それは今)」を大ヒットさせ、その後、解散しましたが、また復活し、甲斐さんが見えなくなった…にはならなかったのは良かったですね。(笑)

(初稿2002.5 未改訂)


裏切りの街角

作詞/作曲 甲斐よしひろ

雨にけむる街並を
息をきらして駆け続けた
つきささる吐息をはいて
駅への道 駆け続けた
わかってたよ おいらじゃだめさ
でも二人 生きてきたんだ
とぎれた電話は 生きてゆく
悲しさに泣く 君の声
しとしと五月雨 わだかまり
君さえいてくれたならば
走る車の泥にたたかれ
見上げた時 街が泣いてた

とぎれとぎれに靴音が
駅の階段に響いてる
楽しく過ぎてゆく人ごみ
キップを握った君がいた
わかったよ どこでも行けばいい
おいらをふりきって 汽車の中
おもわず叩くガラス窓
君は震え 顔そむけた
しとしと五月雨 またひとつ
ネオンが 夜にとけて
たよりない心 傷つけて
裏切りの街角 過ぎてきた

しとしと五月雨 プラットホームを
今 想い出が走りだす
発車のベル 叫び声の中
あの人が 見えなくなった

発車のベル 叫び声の中
あの人が 見えなくなった
あの人が 見えなくなった

1975年(昭和50年)
「青春音楽館」トップページへ