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ハーバーライトが 朝日にかわる
そのとき一羽の かもめが翔んだ
港の夜を見守るように点灯しているハーバーライト。
遠く対岸から見れば、ほのかな漁火のようにも見え、そして港を見下ろす展望台から見れば、港の岸壁の縁を彩るイルミネーションのようにも見える。
人工的な照明であるはずなのに、なぜか、心やすらぐような温かみのあるハーバーライト。
それが、夜明け前の一瞬の闇の深さに、きらめきを増したかと思うまもなく、水平線から昇ってきたばかりの朝日と、入れ替わるようにして消えていきます。
そして、同時に、朝日を浴びて、白いかもめが、一羽だけ翔び立っていきます。
まさに目に浮かぶような、秀逸な情景描写です。
もっとも、朝日が、水平線から昇ってきたと、勝手に想像しましたが、港が必ず、東側の海に面してあるわけではありません。
また、古くからの自然が作ったような港は、どちらかといえば、山が迫ったような土地にあるわけですから、朝日が水平線や地平線から昇るより、山影からひょこっと顔を出すこともあるでしょう。
また、翔びたつのが、白いかもめだから、絵になるのであって、これが黒いカラスだったらどうでしょう。
都会でも、朝早くから、カァ〜カァ〜とうるさく鳴きながら飛んできて、家庭ゴミや盛り場の残飯を漁りに来ていますから、カラスも結構、早起きなんですね。
情景としては、山のお寺の鐘がなる、夕焼けの頃に登場してもらいたいカラスですが、港にも早朝出勤して、かもめと競争しているかもしれませんね。(笑)
ひとはどうして 哀しくなると
海をみつめに 来るのでしょうか
港の坂道 かけおりるとき
涙も消えると 思うのでしょうか
海を見たいと思うことがあります。
海を見たくなるときが確かにあります。
でも、それは、どうしてなんでしょうね。
海のある風景が、ふるさとの海へと続く望郷の念をかきたてるからという人もいます。
でも、大阪市内の中心部で、海とはまったく無縁の環境で生まれ育ったシティボーイ(自称)のマスター(館長)も、むしょうに見たくなるときがあります。(笑)
そして、なぜか懐かしい気持ちがします。
えっ、マスター(館長)の前世が、船乗りで、そして、港、港に女がいたからじゃないですかって、ですか。
そっ、そういう説も確かにありました。(笑)
あなたを今でも 好きですなんて
いったりきたりの くりかえし
季節はずれの 港町
ああ わたしの影だけ
前世はマスターではなく、マドロス(水夫)、館長ではなく船長(キャプテン)だったりして、そう、好きよ、キャプテンって、言われてたりしてね。(笑)
う〜〜〜む、前世の記憶がないから、これらの件に関しましては、お答えしかねますね。(笑)
いや、このような件に関しては、現世の記憶があっても、消し去っておく方が、家内安全でしょうね。(笑)
どうしても、マスター(館長)の前世にこだわる人のために、ひょっとしたら、マスター(館長)の前世は、かもめの水兵さんだったのかもしれません。(笑)
かもめの水兵さん
ならんだ水兵さん
白い帽子 白いシャツ 白い服
波にチャップチャップ うかんでる
「かもめの水兵さん」−作詞/武内俊子 作曲/河村光陽
青空をひたすらに翔ぶよりも、波のまにまに漂い浮かんでいるのが、マスター(館長)の人生を彷彿させて、お似合いかもしれません。(笑)
まっ、先輩諸氏及び御同輩のみなさんも、御一緒に、チャップチャップしませんか。(笑)
かもめが翔んだ かもめが翔んだ
あなたはひとりで 生きられるのね
もっとも、ここでいうところのかもめは、やはり、朝日の中を一羽で翔び立つくらいですから、中型以上の渡り鳥のかもめのことでしょうか。
かもめは、世界各地の海洋の沿岸地域に生息する、チドリ目、カモメ科、カモメ属の水鳥です。
そして、日本で繁殖して生息し、季節による移動をしない留鳥のかもめとしては、ウミネコがいます。
また、古来から都鳥と呼ばれ、東京の隅田川や京都の鴨川でよく見かけるユリカモメも、かもめの仲間ですが、ユリカモメも渡り鳥です。
港を愛せる 男に限り
悪い男は いないよなんて
わたしの心を つかんだままで
別れになるとは 思わなかった
やはり、港、港の女を渡っていったんちゃうのって…って、その話しは、もういいの。(笑)
いずれにしろ、かもめはかもめ。
青空を 渡るよりも
見たい夢は あるけれど
かもめは かもめ
ひとりで空を ゆくのが お似合い
「かもめはかもめ」―中島みゆき
この歌詞を引用したかっただけかもめ。(笑)
舟競ふ 堀江の川の 水際に
来居つつ鳴くは 都鳥かも
「万葉集」−大伴家持
ここでいう、堀江とは、大阪の大川(旧淀川)の天満橋付近の難波堀江をいうとのことで、この都鳥は、ユリカモメではなく、チドリ目、ミヤコドリ科に分類される、ミヤコドリではないかという説もあります。
ミヤコドリは、からだの上面は黒く、胸から腹、翼に白い部分があるだけで、全体的に、黒っぽくて、どうも白いかもめとはイメージが異なります。
マスター(館長)が学生の頃、冬の風物詩となっていたユリカモメの渡来の折りに、京都に行ったとき、ユリカモメにエサをやっていた人に尋ねると、来るようになったのは、1970年代らしいのです。
そうだとすれば、やはり古来からの都鳥は、ミヤコドリであって、ユリカモメではないような気もします。
名にし負はば いざ言問はむ 都鳥
わが思う人は ありやなしやと
「伊勢物語」−在原業平
しかし、この言問いで有名な在原業平の和歌のイメージになると、なんとなく、いまも隅田川付近に群れなすユリカモメだったのかとも思います。
隅田川の言問橋で、カモメに詳しそうな、森鴎外さんにでも尋ねることができれば分かったのかもしれませんが、言問橋は1928年(昭和3年)竣工で、当時は、まだ架かってなかったのですね。
なぜか忘れぬ人ゆえに
面影偲んで訪ねれば
帯の匂い袋香らせて
買い物帰りの急ぎ足
僕に気づくはずもない
逢って別れて別れて逢って
人の縁の侘びしさに
この橋の上でめぐり逢う
ここは言問 言問橋
「言問橋」−クラフト
あなたが本気で 愛したものは
絵になる港の 景色だけ
潮の香りが 苦しいの
ああ あなたの香りよ
ところで、男性用のフレグランス(香水)は、マリン系の人気が高いそうで、心地よい海風のようなすがすがしさがあるから…らしいのですが、 加齢臭も気になる慢性鼻炎の鼻にはよく分かりません。(笑)
まあ、見栄を張って、帯の臭い袋の香りは、なんか分かったような振りをしておきましょうか。(笑)
かもめが翔んだ かもめが翔んだ
あなたはひとりで 生きられるのね
…ということで、この前、仕事で東京に行ったときに、生まれてはじめて、ゆりかもめに乗ってきました。
もちろん、ユリカモメではなく、ゆりかもめ、つまりは東京臨海新交通臨海線です。
ゆりかもめで、仕事に行ったのか、ゆりかもめに乗りたくて仕事に行ったのかはともかくとして。(笑)
生まれてはじめてといっても、ゆりかもめが誕生したのが、そもそも1995年(平成7年)のことですので、こちらの方がずっと先輩なんですけどね。(笑)
さて、汽笛一声の新橋を出て、汐留、台場と、テレビで聞いたことのある駅を過ぎて、東京ビッグサイトまでの20分あまりの短い旅程。
平日なのに夏休み終盤で、子連れのママさんたちや若い人たちで混み合っていましたが、始発駅からなので、一便見送れば座れました。
乗った感想はといえば、人にも環境にも優しい、未来都市にふさわしい交通機関というわりに、なんとなく、子どもの頃に乗った遊園地の乗り物の乗り心地に似ていて、目新しさはなかったです。
飛翔する、ゆりかもめ、をイメージしていたのですが、それよりも、浜辺を散歩する、はまちどり、というような感じでしょうか。(笑)
それにしても、臨海副都心までの交通機関が整備されて、巨大ビル群が林立していて、東京一極集中がさらに進んでいるように思われました。
日本では、東京だけ、ひとりで生きられるのねと、取り残される地方都市のひとつ大阪を実感したことだけは事実でした。(笑)
東京都の鳥は、ユリカモメ、大阪府の鳥は、モズだから、枯れ木で鳴くしかないのかもめ。(笑)
この曲は、1978年(昭和53年)の日本レコード大賞最優秀新人賞受賞曲でした。
渡辺真知子さん、1956年(昭和31年)10月23日神奈川県横須賀市生まれのB型で、シンガーソングライターとして、作詞・作曲した「現在・過去・未来〜〜〜」という印象的なフレーズの「迷い道」でデビューしました。
「迷い道」のその後、「かもめが翔んだ日」、「ブルー」、「唇よ熱く君を語れ」などをヒットさせます。
「かもめが翔んだ日」は、作詞は伊藤アキラさんですが、作曲は彼女が担当しているせいか、彼女の音域や声量に無理なく、無駄なく作られているって感じで、オリジナリティにあふれています。
(初稿2004.3 未改訂) |