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英仏百年戦争も後半に入った、1428年の秋、劣勢を強いられていたフランス軍に、天使を描いた旗印を手に、銀色の甲胄で白馬にまたがって陣頭に立つ少女が現れた。
とび色のひとみに 誘惑のかげり
金木犀の 咲く道を
ブルゴーニュ公家と結託したイギリス王家に北フランスを支配され、南フランスに退いていた正統のフランス王国の皇太子シャルルを、戴冠させよという神の啓示を受けたオルレアンの乙女。
その名は、ジャンヌ・ダルク(Jeanne d'Arc)
フランス王国の存亡をかけた闘いのなか、神の使いか、突如として現れた救国の天使のような少女。
銀色の翼の馬で 駈けてくる
二十世紀のジャンヌ・ダークよ
日本では室町時代、応仁の乱が始まるすこし前、足利将軍が、鹿苑寺金閣で悠長に、紅葉狩りでもしていたであろう時代。
君のひとみは10000ボルト
地上に降りた最後の天使
ところで、10000ボルトというと、非常に高電圧な感じがしますが、秋から冬にかけて、衣服を脱いだときや、車の乗り降りのときなどに、パチパチとくる静電気は、瞬間とはいえ、8000から12000ボルトあるそうです。
ちなみに、ぼくの場合は静電気を感じやすい体質なんですが、落雷で、10億ボルトですから、やはり、これくらいの電圧を出せなきゃ、ぼくを、しびれさせられないかもしれません。(笑)
しびれさせようとする人がいればの話ですが。(笑)
もっとも、電撃でなくても、秋も深まると美味しくなる、フグ(河豚)でも、しびれるようです。ただし命をかけて…です。(笑)
まぶしすぎる朝に 出逢った時の
そんな心の ときめきを
知らぬ間にふりまき 消えていった
季節はずれのミストレル
ジャンヌ・ダルクは、わずか1年の活動の後、イギリス王家と通じるブルゴーニュ公家方の捕虜となり、パリ大学神学部はジャンヌに異端の嫌疑をかけて、フランス王国宗教裁判官による教会裁判を受けさせられることになります。
ジャンヌ・ダルクの活躍により、フランス国王となったシャルル7世は、わが身に飛び火するのを恐れたのか何の手立ても講じずに傍観し、その結果、少女は「虚偽の啓示をうたい、数々の異端的言動を恥じず、教会の判断や勧告に従わぬ救い難い異端者」として破門の審決が下り、火刑に処されました。
南フランスのプロヴァンス地方の長くて暗い冬に吹く強い寒風、ミストレルに吹き消されるかのような、19年の短い生涯でした。
ローマ教皇庁は、1920 年になってようやく、ジャンヌ・ダルクを殉教の聖女に列して、名誉回復を図りました。
フランスの片田舎の目立たない少女が、秋の日に、突如として歴史の表舞台に出て、そしてまた…ひっそりと消えていった。
その匂いたつ香りで、ようやく開花を知るくらいの目立たないオレンジ色の小花の金木犀…どこか似ているような気がします。
この曲は、アリス時代、どちらかと言えば、チンペイさん、こと谷村新司さんのかげに隠れて、目立たなかった堀内孝雄さん、ことべーやんが、メインボーカルで歌い、資生堂のCMソングにも採用されて、ヒットしましたが、この曲で、べーやんは、アリスから、独り立ちへの自信がついたのではと思います。
アコースティックな明るい雰囲気を出すために、ギターのストロークを強めにし、後半はやはり、10000ボルトとは行きませんが、せめて家庭電源の200ボルトくらいのエレキギターで、勝負をかけましたので、存分に、しびれてくださいね。(笑)
ただし、足腰のしびれは、早めにお医者さんに。(笑)
(初稿2002.9 未改訂) |