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「君の誕生日」―ガロ

   君の誕生日 二人祝ったよ
   あれは過ぎた日の 想い出のひとこま

Happy Birthday to you〜♪

誕生日おめでとう!

(^O^)/C□☆□D\(^_^ )

   街の角にある ほんのささやかな
   店でお祝いの グラスをあげたよ

今日は、君の誕生日。

今日で君は二十歳になったんだね。

今日から、君も、堂々とお酒が飲めるよね。

そう…、そんな想い出のひとこまを持っている人も多いでしょう…が、これには、間違いがあります!!

このやりとり、さて、間違いはどこでしょう。

…えっ、あなたと出会ったことが、そもそも間違いだった…なんて、間違っても言わないでね。(笑)

私事で恐縮なんですが、我が家の長女は、1998年(平成10年)11月9日に生まれて、上の長男坊とは、9歳も離れてのまさに忘れた頃の誕生です。(笑)

でも、なんとか、パパは、娘とお酒を飲み交わせる日までは、娘が二十歳になるまでは、老体に鞭打って、どうにか元気に頑張ろうと思っています。(笑)

ところで、娘が二十歳になるのはいつでしょうか。

平成10年生まれだから、単純に計算すれば、誕生年の二十年後ですから、平成30年、つまり、2018年の誕生日に二十歳…となるはずですよね。

ところが、それが大間違いなのです。

娘は、どういうわけか、2018年(平成30年)11月9日の誕生日の前の日である11月8日に、二十歳になっちゃうんです。(笑)

別に我が娘が、早熟というわけではありません。
確かに、父親に似てきて、少し横に育ちすぎてはいるんですが。(笑)

実は、これは年齢の計算が、明治35年(1902年)に制定された「年齢計算ニ関スル法律」の規定に基づいて計算されるからです。

   「年齢計算ニ関スル法律」
    年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス
    民法第百四十三条ノ規定ハ
    年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス

つまり、年齢は出生の日より、起算、つまり数え始めることとし、そして、その計算方法は、明治29年(1896年)に制定された民法の規定によるとされます。

   「民法」
   週、月又ハ年ノ始ヨリ期間ヲ起算セサル
   トキハ其期間ハ最後ノ週,月又ハ年ニ於テ
   其起算日ニ応答スル日ノ前日ヲ以テ満了ス
   但月又ハ年ヲ以テ期間ヲ定メタル場合ニ
   於テ最後ノ月ニ応答日ナキトキハ
   其月ノ末日ヲ以テ満了日トス

ちょっと、そこの人、いま、引用した上の法律の条文を読み飛ばしませんでしたか。(笑)

源氏物語や徒然草などの古典よりも、さらに難解でしょうが、この法律は、現行法なのです。
ぼくが学生の頃にも、民法の改正が論議されていましたが、いまだ、改正されていません。
民法の条文読めば、すぐに眠くなりますから、「眠法」とも言っていたことを思い出します。(笑)

民法は、第一編から第五編まで1044条あり、第一編総則、第二編物権、第三編債権までが、上のようなカタカナ交じりの文語体、第四編親族、第五編相続については、戦後全面的に改正されたので、現代語に近い口語体となっています。

したがって、みなさんになじみのある離婚などは、口語体で書かれているから安心してください。(笑)

話を元に戻して、ぶっちゃけた話、年齢は、起算日に応答する日の前日をもって、一歳と数えます。
つまりは、誕生日の前日で、一歳を加えて計算することになります。

このことが影響を及ぼす具体的な例をあげると、学校教育法第22条では、その年の3月31日までに満6歳になった子供は、その年に小学校に就学させることになっています。

ですから、4月1日生まれの子は、3月31日にすでに満6歳となっていますから、いわゆる早生まれとして就学させなければなりません。

しかし、4月2日生まれの子は、4月1日に満6歳になりますが、3月31日現在はまだ満5歳ですから、その年ではなく、翌年に就学させることになります。

なお、2月29日生まれの子は、閏年でない年は起算日に応答する日がないため、「最後ノ月ニ応答日ナキトキハ其月ノ末日ヲ以テ満了日」に該当しますから、その月の末日、つまり平年だと2月28日にその年齢に達したことになります。

ちなみに、お酒については、大正11年制定の「未成年者飲酒禁止法」により「満二十年ニ至ラサル者ハ酒類ヲ飲用スルコトヲ得ス」と規定され、煙草についても、明治33年に制定された「未成年者喫煙禁止法」により、「満二十年ニ至ラサル者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス」と禁止されています。

社会人になったから、成人式を終えたから、親が認めたからではなく、あくまで、誕生日基準ですから、この二十歳に至らない者というのも、二十歳の誕生日の前々日の者ということになり、二十歳の誕生日の前日からはOKですが、飲酒喫煙は、控えめにね。
自分のことはタナに上げときます。(笑)

さて、今回のまとめです。(笑)

君は、君の誕生日に、○○歳になったのではなくて、君は、君の誕生日の前日には、すでに○○歳になっているのです。

うわぁ〜せやったら、早く、年取ることになるやん、こんな法律は、年金改正法よりひどいやんか〜って、お嘆きのお姉さま方たち。(笑)

まあ、法律の弁護をするわけではありませんが、いまさら、ひとつ、ふたつ、早く加齢したとしても…、ですね…、えっと…、え〜と、いやいや、加齢しても、貴女の佳麗なお美しさは、損なわれるわけではありませんから大丈夫ですよっ、て…、マスター(館長)も、加齢により、かなりお口が達者になりました。(笑)

   今年もまたその日 もうじき来るけれど
   君は (いない) 二人 (あの日) 別れたよ

     あの頃は愛だとは 知らないで
     サヨナラも言わないで 別れたよ
     君と
                 「学生街の喫茶店」―ガロ

   君は誕生日 誰と祝うのか
   きっと幸せで ローソク消すだろう

ときはめぐり、同じ日がめぐってきても、ふたりの関係が終われば、もう同じ日には戻れません。
どんなに素敵に誕生日を祝っても、想い出に残るような誕生日を過ごしても、無関係という関係になってしまったならば、むなしさだけが募ります。

でも、きっと幸せでローソクを消すような未来は、生きてさえいれば、またいつか、めぐってくるものです。

とくに別れてもなお、相手の幸せを祈れるやさしさを持ち続けることができる人ならなおさら、いつか幸せな誕生日がめぐってくるはずです。

しかし、どちらかの死によって分かたれた別れ、つまりは永の別れをしたのなら、そんな誕生日はもう永遠にめぐってはこないのです。

いや、もちろん、誕生日は、毎年、やってきます。
でも、それは残された者の心の中にだけ訪れる誕生日、つまり生誕記念日となってしまいます。

8歳のぼくを残して、46歳で亡くなったぼくの父親は、いつまでも、46歳のままで、幾年、5月に誕生日を迎えても、いつまでも、享年…のままです。

苦労ばかりしていた父が、もし生きていれば、いま何歳になるのかな…と、ふと思うことがあります。

こういうことを、死んだ子の年を数えるといいます。
どうしようもない過去のことについて、嘆き悲しんだり、愚痴をこぼしたりすることのたとえです。

死んだ親の年を数えると言わないのは、先に生まれた親が、先に死ぬのが順番通りで、子どもが先に死ぬのは、順序が逆、逆縁だからでしょう。

しかし、子どもが先に死ぬことも多かったのです。
かって我が国も、わずか半世紀年ほど前までは、乳幼児の死亡率が高かった時代がありました。
その時代は、むしろ乳幼児を亡くしたことのない親の方が少ない多産多死の時代でした。

やがて、経済的にも豊かになって、日常の栄養状態や衛生状態も向上し、周産期や乳児期の医療が高度に進歩して、現在は、国際的にも、我が国は、乳幼児の死亡率がもっとも低い国となっています。

しかし、忘れてはいけないことは、世界を見渡してみると、かっての我が国のように、いまなお、誕生日を迎えられなかった子どもたちが大勢いるのです。

誕生日を迎えても、わずか数回の誕生日しか、迎えられなかった子どもたちがたくさんいるのです。

平和を知らずに、戦争の惨禍の中で生まれ、そして、その戦争の中で、息絶えた子どもたちがいます。

飢えと寒さに、痩せた身体を刻みに震わせて、死を待つしかなかった子どもたちがいます。

猛威を振るう伝染性の病魔を防ぐ手立てもなく、満足な治療も受けないままに、命を落としていった子どもたちがいます。

   僕は忘れない 君の生まれた日
   いつも近づけば この胸が痛むよ

悠久のときのはざまで、宇宙の多くのいのちが、生死を繰り返しているなかで、この同じ地球上で、同じ時代に生まれて、わずかでも同じ時間を過ごした君…。

誕生日を迎えたくとも、もう迎えられない君…。
そんな君のことを忘れないようにしたい…。

君が生まれた日、君が生きていた日、そして、君の誕生日、それを忘れないようにしたい…。

ぼくの誕生日に、君の誕生日のこと…。
ぼくにいまできることは、何だろうかということ…。


伝説のグループといわれるガロは、日高富明さん(Tommy)、堀内護さん(Mark)、大野真澄さん(Vocal)の三人のグループでした。
この曲は、ガロ最大のヒット曲「学生街の喫茶店」と同じ作詞者・作曲者のコンビですので、間奏には、「学生街の喫茶店」が回想のように使われています。
主旋律のメロディラインに、コールレスポンスするようなピアノ伴奏が切なさをそそりますね。
トミー、こと日高さんが自殺されなかったら、また違ったガロに会えたかもしれないと思うと、残念です。

(初稿2004.6 最終改訂2005.2)


君の誕生日

作詞 山上路夫
作曲 すぎやまこういち

君の誕生日 二人祝ったよ
あれは過ぎた日の 想い出のひとこま
街の角にある ほんのささやかな
店でお祝いの グラスをあげたよ
今年もまたその日 もうじき来るけれど
君は (いない) 二人 (あの日) 別れたよ

君は誕生日 誰と祝うのか
きっと幸せで ローソク消すだろう
僕は忘れない 君の生まれた日
いつも近づけば この胸が痛むよ
今年もまた街は 花やぐ時だけど
君は (いない) 二人 (あの日) 別れたよ

1973年(昭和48年)
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