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「恋」―松山千春

   今度生まれてくるとしたなら
   やっぱり女に生まれてみたい
   だけど二度とへまはしない
   貴方になんかつまづかないわ

この曲のツーコーラス目の、このフレーズを初めて聞いたときに、なんか、めっちゃ、鳥肌が立ったのを覚えています。(笑)

あなたと出会えて良かった…。
あなたと出会ったこと後悔していない……。

これが「恋」と思っていた………。

   愛する事に疲れたみたい
   嫌いになった理由じゃない

これは恋愛シーンにおけるよくある情景ですね。
永過ぎた春、とまではいかなくても、恋愛が少しマンネリ状態になると、ふと、こんな思いに駆られた人も多いはず。

   きっと貴方はいつもの事と
   笑い飛ばすに違いない
   だけど今度は本気みたい
   貴方の顔もちらつかないわ

そして、このままで、私達、ほんとに良いのかなあ〜、駄目になるんじゃないかなぁ〜なんて思い始めて、相手にそれとなくサインを送るものの、相手は考え過ぎだよ、なんて取り合わず…。

そうなのかなぁ〜、そうだよね、なんて自分を説得しつつも、どこかに感じる、こころの隙間の広がり…。

そして、なんども、なんども、階段を上り下りするように、回廊を巡るように…、いったりきたり…。

………そして決心。

そのときの思い切りが、このフレーズに現れています。
もう決して、もういちど、やり直せたら…なんて思わない。

それほどまでに、一途に燃えるような恋をすれば、もういちど同じ相手と出会ったら…なんて、もはや思えないものかもしれない。

インスタントな、レトルトな、ほんとにファーストフードのようなお手軽な恋愛が氾濫するなか、貴重な歌です。

   男はいつも待たせるだけで
   女はいつも待ちくたびれて
   それでもいいと慰めていた
   それでも 恋は恋

ちなみに、二十代の若さでこの歌を作った松山千春は、さすがにするどい感性をしていたんだなぁ、と思います。

もっとも、その感性がするどい分、そのストレスが、頭髪に来たと思うのは、ぼくだけかしら。(笑)

(初稿1999.9 最終改訂2001.7)



  恋

作詩/作曲 松山千春

愛する事に疲れたみたい
嫌いになった理由じゃない
部屋の灯はつけて行くわ
鍵はいつものげた箱の中
きっと貴方はいつもの事と
笑い飛ばすに違いない
だけど今度は本気みたい
貴方の顔もちらつかないわ

男はいつも待たせるだけで
女はいつも待ちくたびれて
それでもいいと慰めていた
それでも 恋は恋

たぶん貴方はいつもの店で
酒を飲んで管を巻いて
洗濯物は机の上に
短い手紙 添えておくわ
今度生まれてくるとしたなら
やっぱり女に生まれてみたい
だけど二度とへまはしない
貴方になんかつまづかないわ

男はいつも待たせるだけで
女はいつも待ちくたびれて
それでもいいと慰めていた
それでも 恋は恋

男はいつも待たせるだけで
女はいつも待ちくたびれて
それでもいいと慰めていた
それでも 恋は恋

それでも 恋は恋  

1978年(昭和53年)
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