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「さらば青春」―小椋佳

青春…人それぞれに、想い出があるでしょう。
こころのかたすみに、ぽつんといる青春。

青春に、バカヤロ〜って叫んだ人も、青春に、さよならではなく、こんにちわ〜♪って、愛想を振りまいた人もいるのでしょうか。(笑)

でも、なんの挨拶もしないままに、あれ?いつのまにか、通り過ぎてしまっていた…というお気の毒な人もいるのかもしれません。(笑)

   僕は 呼びかけはしない
   遠く すぎ去るものに
   僕は 呼びかけはしない
   かたわらを 行くものさえ

呼びかけたって、青春は立ち止まってくれません。
いま、あなたが呼びかけて、立ち止まってくれるのは、ご近所の奥さんくらいです。(笑)

下手をすれば、自分の連れ合いも、自分の子供も、立ち止まってくれません。(笑)
えさを持ってれば、ひょっとしたら、犬や猫くらいは立ち止まってくれるかも知れませんが、それでも逃げられたらショックが大きいのでやめましょう。(笑)

だから、あのとき、青春に呼びかけていたら、青春はひょっとして、立ち止まってくれたかも…なんて、無駄な後悔はしないようにね。(笑)

…でも、青春って、いったいなんなんでしょうね。


  青春とは人生の或る期間を言うのではなく、
  心の様相を言うのだ。
  優れた創造力、逞しき意志、燃ゆる情熱、
  怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、
  こういう様相を青春というのだ。

  年を重ねただけで人は老いない。
  理想を失うときに初めて老いがくる。

  歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失うときに
  精神はしぼむ。

  苦悶や、孤疑や、不安、恐怖、失望、
  こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ
  精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。

  年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に
  抱き得るものは何か。

  曰く 驚異への愛慕心、空にきらめく星辰、
  その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰、
  事に処する剛毅な挑戦、小児の如く求めて
  止まぬ探究心、人生への歓喜と興味。

  人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる。
  人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる。
  希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる。

  大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、
  そして偉力の霊感を受ける限り、人の若さは
  失われない。

  これらの霊感が絶え、悲嘆の白雪が人の心の
  奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを固く
  とざすに至れば、この時にこそ人は全くに
  老いて、神の憐れみを乞うる他はなくなる。

                     作詩:Samuel.Ullman
                     訳詩:岡田義夫


青春をテーマとした詩の中の定番といっていいほど有名なサミエル・ウルマンの「青春の詩」です。

なるほどなぁ〜。

そうだよねぇ〜。

(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン

そして、この詩にうなづく頻度に比例して、やはり、青春から、確実に遠ざかっているのです。(笑)

   見るがいい 黒い水が
   抱き込むように 流れてく

青春時代が、必ずしも清流ではなかったことは、改めて、振り返り見るときに、気がつきます。
虚心坦懐に、見栄を捨て、虚飾を捨てて、改めて、振り返って見れば…。

よどみなき…、しかし、濁流であったこと…。

…にもかかわらず、やはり、青春時代が美しく思えるのは、そのすべてを押し流す力と、未来へという方向を持つベクトルが強大であったからでしょうか。

   少女よ 泣くのはお止め
   風も木も 川も土も
   みんな みんな たわむれの 口笛を吹く

少女が女となったときに、いつ果てるともしれなかった涙は、やがて潮が引くように枯れていきます。
いえ、もちろん、単に、年とともに、潤いがなくなったからや…などとは申していません。

…こころで思っていたとしても…。(笑)

   見るがいい 黒い犬が
   えものさがして かけて行く

少年が青年になったときも、腹を空かせた野良犬がえもの求めて、あてどもなく駆け回るのをやめて、首輪につながれて、ドッグフードを食らうことをよしとするような感じになります。

もっとも、駆けるのをやめたから、首輪につながれたのか、首輪につながれたから、駆けるのができなくなったのかは、定かではありません。(笑)

   少女よ 泣くのはお止め
   空も海も 月も星も
   みんな みんな うつろな 輝きだ
   ラララ……

風も木も 川も土も 空も海も 月も星も…
つまりは、万物すべて、たわむれであり、うつろであるということです。

ということは、やはり、この歌は、諸行無常、色即是空の世界を歌ったものだ…ということですから…、やはり…、さらば青春…なんです。d(^-^)ネ!

まあ、この歌詞の意味が理解できる頃になると、涅槃も近い?…んなことはないですね。(笑)

ですから、せめて、そのような方は、「さらば青春」と言わずに、「いつでも青春」と言いましょう。
この番組は、あなたのこころの健康に奉仕する「青春音楽館」の提供でお送りしました。(笑)


ぼくがこの歌をはじめて聞いたのは、関西ローカル放送だったかも知れませんが、ラジオのトーク番組で、DJ(ディスク・ジョッキー)は、アリスの谷村新司(チンペイ)さんでした。

その番組の中で、視聴者からの青春の悩みなどを綴ったハガキを読むコーナーがあり、そのテーマソングとして使われていたのが、この曲でした。

初心者のギターのアップ&ダウンストローク奏法の練習には、うってつけの曲でした。(笑)

小椋佳さんは、そのとき、谷村新司さん以上に、まだ無名でしたが、その後、布施明さんに提供した「シクラメンのかほり」で、有名になりました。

小椋佳さんは、およそ、シンガー・ソング・ライターらしからぬ風貌、というか、まさに、東大法学部卒のエリート銀行員そのものって感じが、新鮮でした。

50歳で、銀行を退社、東大文学部に学士入学、57歳で、胃癌摘出手術を受けるも、音楽・文学活動を続けられています。

(初稿2003.8 未改訂)


さらば青春

作詞/作曲 小椋 佳

僕は 呼びかけはしない 遠く すぎ去るものに
僕は 呼びかけはしない かたわらを 行くものさえ
見るがいい 黒い水が 抱き込むように 流れてく
少女よ 泣くのはお止め
風も木も 川も土も
みんな みんな たわむれの 口笛を吹く

僕は 呼びかけはしない 遠く すぎ去るものに
僕は 呼びかけはしない かたわらを 行くものさえ
見るがいい 黒い犬が えものさがして かけて行く
少女よ 泣くのはお止め
空も海も 月も星も
みんな みんな うつろな 輝きだ
ラララ……

1973年(昭和48年)
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