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「さよなら」―オフコース

秋が深まり、はらはらと、落ち葉の舞う季節になると、なにか無性に聞きたくなる曲、そしてオフコースと言えば、やはり、この曲。

  もう終りだね 君が小さく見える
  僕は思わず君を 抱きしめたくなる

恋愛の最終章、どんな恋でも、ドラマティックなものかも知れない。
恋人と呼ばれる間柄から、他人の関係へ、そして、いや他人の関係よりも、さらに、もっと疎遠な関係になる二人。
いつも、そばにいて、見慣れた彼女の肩幅が、なんだか妙に小さく見えて、しあわせに出来なかった想いが、彼の胸に去来する。
決心が揺らぐ…、しかし、時計の針は戻せない。

  僕等は自由だね いつかそう話したね
  まるで今日のことなんて 思いもしないで

恋はいつでも、永遠の誓い…。
恋をしているときって、人はその関係が、いつまでも、どこまでも、続くものと思っている。
もちろん、近頃は、学生時代のときだけ、または、同じ職場にいるときだけ、あるいは、新しい恋人が見つかるまで、はては、相手の配偶者に発覚するまで、なんて期間限定の特売セール的な、打算的な恋も、恋の範疇に入れる人もいますが。(笑)

  さよなら さよなら さよなら
  もうすぐ外は白い冬
  愛したのはたしかに君だけ
  そのままの君だけ

…ただでさえ、人恋しい季節の、秋の深まり行くなかの別れ。
恋人との想い出の数々を、一面の雪野原のように、白く塗りつぶすには、やはり、ひと冬、かかるかも知れない。
それだけの想い出があるという、「しあわせ」と、「不幸せ」に、想いをめぐらしていく。
そして、たどりつくところは、確かに、過ぎ去った恋の季節に、愛した人は、ただ一人、あの頃の、あの人だけだったということ。

  愛は哀しいね 僕のかわりに君が
  今日は誰かの胸に 眠るかもしれない

永遠の神話が崩れ、そして人は、人の世の儚さを実感する。
少々、オーバーに言えば、そこで人生を知るとでも言えようか。
それを受容して、人は大人になっていくのかも知れない。

しかし、それを受け入れられない人、その人たちが、自分勝手な、自己中心的なストーカー殺人や、元恋人殺人などを起している。
その人たちにとって、恋愛とは、愛することではなく、きっと、愛されることだと、思っているのかも知れない。
自分しか愛せないことは、哀しいことだと思う。

  外は今日も雨 やがて雪になって
  僕等の心の中に 降りつもるだろう
  降りつもるだろう

恋は季節の移ろいのようなのかもしれない…。
やがて、ひとつの季節は、いきつもどりつしながら、しかし、確実に次の季節に移る。
冷たい雨がやがて雪に変わるように…。


オフコースは、古くからの友達同士である小田和正さんと鈴木康博さんの二人の時代から、グループとなってからも、ずいぶんと、下積みの時代があった。
多くのグループが歩むように、売れ出して、そして解散となるパターンは、長らく苦楽をともにしたオフコースというグループも、例外じゃなかったのは、非常に残念な気がした。

この曲は、オフコースの大ヒット曲であり、そして代表曲とも言われるけれど、熱烈なオフコースファンからすれば、かなり異質な曲と言われているが、確かに、そのほかの曲とは、少しサウンドが違うような気がする。
オフコースサウンドを時系列に追い掛けて、聞き比べて見るのも、おもしろいかも知れない。
ともあれ、この「さよなら」の最初の出だしのピアノソロは、いつ聞いても、心に染み入る。

(初稿1999.10 最終改訂2001.11)



さよなら

作詩/作曲 小田和正

もう終りだね 君が小さく見える
僕は思わず君を 抱きしめたくなる
私は泣かないから このままひとりにして
君の頬を涙が流れては落ちる
僕等は自由だね いつかそう話したね
まるで今日のことなんて 思いもしないで

さよなら さよなら さよなら
もうすぐ外は白い冬
愛したのはたしかに君だけ
そのままの君だけ

愛は哀しいね 僕のかわりに君が
今日は誰かの胸に 眠るかもしれない
僕が照れるから 誰も見ていない道を
寄りそい歩ける寒い日が 君は好きだった

さよなら さよなら さよなら
もうすぐ外は白い冬
愛したのはたしかに君だけ
そのままの君だけ

さよなら さよなら さよなら
もうすぐ外は白い冬
愛したのはたしかに君だけ
そのままの君だけ

さよなら さよなら さよなら
もうすぐ外は白い冬
愛したのはたしかに君だけ
そのままの君だけ

外は今日も雨 やがて雪になって
僕等の心の中に 降りつもるだろう
降りつもるだろう

1979年(昭和54年)
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