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「さよならをするために」―ビリーバンバン

    過ぎた日の微笑みを みんな君にあげる
    ゆうべ枯れてた花が 今は咲いているよ

微笑みあって過ぎた日々の想い出たちは、共有のものであるはずなのに、時の歯車が噛みあわなくなって、別れていくときは、その想い出たちも、なぜか、孤独に色褪せて見えるものです。
すでに枯れ果ててしまった花は、もはや生気を、取り戻すことはなく、夢のなかにだけ、いつまでも咲き誇っているのです。

   過ぎた日の悲しみも みんな君にあげる
   あの日知らない人が 今はそばに眠る

楽しかった日々、悲しかった日々、その多くの想い出たち。
そして、想い出たちのなかにある、あの日、永遠に自分のそばに眠るものと信じていた人の姿は、すでになく、あの日、知らない人が、まるで、今までずっとそばにいたように眠っています。

   温かな昼下がり 通りすぎる雨に
   濡れることを 夢に見るよ
   風に吹かれて 胸に残る想い出と
   さよならを するために

激しくもなく、かといって小雨でもない、物憂い午後の昼下がりの通り雨…、その雨に打たれて、想い出たちを溶かしながら、湿った心に風を入れて、さよならを、あらためて決意する。

   昇る朝陽のように 今は君と歩く
   白い扉をしめて やさしい夜を招き
   今のあなたにきっと 判るはずはないの
   風に残した過去の さめた愛の言葉

深い闇もまた、やがてまた昇る朝陽に消えていくことを信じて。


ビリーバンバンは、兄の菅原進と、弟の菅原孝の兄弟デュオとして、1969年(昭和44年)「白いブランコ」でデビューしました。
兄弟ならではの、近似的な声による美しいハーモニーと、絶妙的確な唱和のよさは、他の真似を許さないデュオでした。
大分の麦焼酎いいちこのCMソング 「夢を紡ぐ季節」 「遅すぎた季節」 「砂漠の薔薇」などで耳にした人も多いかもしれません。

作詞者の石坂浩二さんは、ご存知のとおり、俳優でありながら、博学多才な方ですが、まさか、浅丘ルリ子さんとの離婚会見のとき、ふと、この歌のメロディーがよぎった方も多いのでは。
作曲の坂田晃一さんは、「母をたずねて三千里」「おしん」「もしもピアノが弾けたなら」など、主としてテレビ番組の音楽を担当されていました。
(初稿2001.3 未改訂)



さよならをするために

作詞 石坂浩二
作曲 坂田晃一

過ぎた日の微笑みを みんな君にあげる
ゆうべ枯れてた花が 今は咲いているよ
過ぎた日の悲しみも みんな君にあげる
あの日知らない人が 今はそばに眠る

温かな昼下がり 通りすぎる雨に
濡れることを 夢に見るよ
風に吹かれて 胸に残る想い出と
さよならを するために

昇る朝陽のように 今は君と歩く
白い扉をしめて やさしい夜を招き
今のあなたにきっと 判るはずはないの
風に残した過去の さめた愛の言葉

温かな昼下がり 通りすぎる雨に
濡れることを 夢に見るよ
風に吹かれて 胸に残る想い出と
さよならを するために

1972年(昭和47年)
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