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「思秋期」という言葉は、多くの方がこの楽曲で初めて聞いたと思いますが、一方、「思春期」という言葉は、聞きなれた言葉ですが、いまでもなんとなく気恥ずかしさを感じさせるような言葉ですね。
もっとも、医学的には、「第二次性徴の始まりから成長の終わりまで」と定義されているそうで、第二次性徴が現れ、生殖が可能となって、精神的にも大きな変化の現れる時期、一般的には、12歳ごろから17歳ごろまでの、いわゆる青年期の前期にあたる時期とされています。
医学的にいえば、味も素っ気も色気も、なにもないですね。(笑)
ところで、17歳ごろと言えば、南沙織さんの「17才」か、カバーの森高千里さんの「17才」の唄を思い浮かべる人も多いかもしれませんね。
早く 強く つかまえに来て
好きなんだもの
私は今 生きている
「17才」-南沙織
なんとなくドキドキとしてしまいますね。
逃げる方だったか、捕まえる方だったかは、ともかくとしてね。(笑)
それこそ、全速力で走っても疲れをしらない頃のことで、いまのように、歩くだけで息切れすることになるとは想像もできない頃。(笑)
もっとも、少年少女時代とは違って、単なる鬼ごっこにはならず、単純そうで、単純でない、複雑なようで、複雑でない、大人のようで、子どものような、そんなお年頃が「思春期」の17歳の頃でしょうか。
嘘をついて 悪口いって
嫌われて しまえば
こんな気楽になるなんて 知らなかった
「17才の詩」―N.S.P
あなたの17才の頃はどうでしたか。
17本目からは一緒に火をつけたのが
昨日の事のように
「22才の別れ」―風
えっ、ワタシ、永遠の17歳です、(~-~;)ヾ(-_-;) オイオイ.と、えっと、この意味が分からない人は、お子様か、お孫様にお尋ねください。(笑)
足音もなく行き過ぎた
季節を ひとり見送って
はらはら涙あふれる私十八
ところで、16歳になれば原動機付き自転車の免許の取得が可能となり、女性ならば法律婚が可能な婚姻適齢になります。
そうそう、日本赤十字社の「はたちの献血」というキャンペーンがありますが、献血は20歳からではなく、16歳からできることになっており、もしお子様やお孫様が、思春期の16歳になって血の気が多いなと思ったら、献血にご協力ください。(笑)
さて、鬼も十八、番茶も出花ということわざもあり、18歳になれば、自動車の普通免許取得や男性も婚姻適齢になりますし、パチンコも18歳になればOKなんですが、競馬は20歳未満は禁止、かつ20歳を超えても学生生徒は禁止されています。
19歳になれば、は、特にないようです。
無口だけれど あたたかい
心を持った あのひとの
別れの言葉 抱きしめ やがて十九に
しいてあげれば、女性にとって初めての厄年ですし、また、大学受験浪人すれば、予備校生になれるし、進学せずに就職すれば、新社会人になれるでしょうか。
まあ、ひとによっては、母になれたわ、という人もいるでしょうが。(笑)
ところで、20歳未満は、未成年と呼ばれ、これは、民法第4条の「年齢二十歳をもって、成年とする。」という規定に基づいています。
未成年者はお断り!、に悔しい思いをしたことがありますか。(笑)
ちなみに、飲酒と喫煙については、それぞれ成年者飲酒禁止法と未成年者喫煙禁止法で、20未満は禁止されています。
心ゆれる 秋になって 涙もろい私
青春はこわれもの 愛しても傷つき
青春は忘れもの 過ぎてから気がつく
もっとも、成年に達したから、あるいは成人したからといって、ただちに青春からも遠ざかるものではないようのです。
青春とは人生の或る期間を言うのではなく、
心の様相を言うのだ。
優れた創造力、逞しき意志、燃ゆる情熱、
怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、
こういう様相を青春というのだ。
ウルマン−「青春の詩」
青春と言う言葉は、古くから中国の漢詩にも使われる言葉で、一般的には、人間の生涯を四季の循環になぞらえて、春夏秋冬をそれぞれ、青春、朱夏、白秋、玄冬ということになるそうです。
となれば、青春音楽館のご訪問者の多くは、いまや白秋か玄冬の世代…いえいえ、心の様相からは、まだまだ、青春ですよね。(笑)
ところで、青春時代というのは、これも一般的な話になりますか、自己が何者であり、そして何をなすべきかということを考えて、アイデンティ( Identity)を確立させなければならない時期といわれています。
このアイデンティというのはアメリカの発達心理学者のエリク・エリクソン(E・H・Erikson)による言葉で、青年期の発達課題とされています。
エリクソンは人生を八つの段階に分けて、それぞれの段階で解決すべき課題、発達課題があるとしました。
ライフサイクルの八段階とは、@乳児期A幼児期B幼児期初期C学童期D青年期E成人期初期F成人期後期G老年期です。
とすれば、成人期後期や老年期を「思秋期」とするむきもありますが、やはり、「思春期」が青年期の前期ならば、「思秋期」もやはり青年期の後期と考えるのが順当でしょうね。
もちろん、「更年期」のあとに、「思秋期」という考え方も、医学的にまったく、的外れということでもなさそに思えますが。(笑)
ふとしたことで はじめての
くちづけをした あのひとは
ごめんといった それきり 声もかけない
卒業式の前の日に
心を告げに 来たひとは
私の悩む顔見て 肩をすぼめた
初めての経験、予期せぬことの連続だったのが青年期。
訳知り顔で人生を語りながら、ちょっとしたことで動揺した日々。
そのあとの人生において、花も嵐も踏み越えて、酸いも甘いも噛み分けて、生きていくなんて、想像もしなかったでしょう。(笑)
ひとりで紅茶のみながら
絵葉書なんか書いている
お元気ですか みなさん
いつか逢いましょう
同窓会の通知に、行こうか、どうしようか、あの人は来るのかしら、…なんて考えていた日々すらも、やがて穏やかに過ぎて、いつか逢うのが、ひょっとしてこの世では無理なのかしらなんて思うようになって…。
でも、いつかまた、どこかで逢えば、またあの頃のように、話がはずむのかしらなんて、思って、遠い日々を、遠い目で思ったりして…。
無邪気な 春の語らいや
はなやぐ 夏のいたずらや
笑いころげたあれこれ 思う秋の日
この道や行く人なしに秋の暮れ
この秋は何で年寄る雲に鳥
松尾芭蕉
山塊にゆく雲しろむ秋思かな
飯田蛇笏
秋思雲遠く仰ぎ見ぺダルこぐ
路夢
そう、あれこれ、思う秋の日…。
岩崎宏美さんは、1958年(昭和33年)、東京都江東区出身で、血液型はB型、「スター誕生!」で見出され、1975年(昭和50年)に「二重唱 (デュエット)」でデビュー、2枚目の「ロマンス」、3枚目の「センチメンタル」がヒットし、日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」の主題歌となった「聖母たちのララバイ」なども、大ヒットしました。
この「思秋期」は、1977年(昭和52年)、岩崎宏美さん、高校卒業3か月後にリリースされた11枚目のシングルで、第19回日本レコード大賞・歌唱賞及び第8回日本歌謡大賞・放送音楽賞を受賞しています。
この曲の作詞を担当したのが阿久悠さんですが、2007年(平成19年)70歳没で、作曲を担当したのが三木たかしさんですが、2009年(平成21年)64歳没で、お二人ともすでに故人となられています。
そんなことも、あれこれと、思う秋の日…、ですね。
(初稿2011.9 未改訂) |