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「旅の宿」―吉田拓郎

ぼくの髪がぁ〜肩までのびて〜、と、いきなりちょっと、標題から、外れてしまいますが、かってのフォークシンガーたちと言えば、長髪というのが定番でした。

しかし、今の吉田拓郎さんのお姿しか知らない人には、想像もできないかもしれないけど、拓郎さんほど、見事に、長髪が似合った人はいなかったなぁと思います。

当時、なんか、頭にお掃除モップを貼り付けたような薄汚い感じの長髪のフォークシンガーが多かったなかで、甘いマスクに、ストレートの長髪をなびかせた姿は、かっこよかったです。
そして、ギターをかき鳴らしながら、首にかけたハーモニカを吹く姿は…セクシーでした。(笑)

でも、軟弱なアイドルっぽい風貌ながら、結構、硬派的なメッセージソングなんかも歌ってました。
そう…人生を語らずと言いながら、人生を語ってました。(笑)

  浴衣のきみは 尾花のかんざし
  熱燗徳利の首つまんで
  もういっぱい いかがなんて
  みょうに色っぽいね

「尾花」とかいて「すすき」と読み、秋の七草のひとつ、当然、俳句では秋の季語です。
当時、長髪だった若者たちも、いまや頭の上に、すすきを載せたような…と、えっ、髪の毛の話は、もういいって?。(笑)

歌詞だけを見れば、およそフォークというよりは、演歌の世界。
そう言えば、森進一さんの「襟裳岬」は、この曲と同じ作詞作曲コンビで、「落陽」「祭りのあと」なんかも出してますね。

  部屋の 灯をすっかり消して
  風呂あがりの髪 いい香り
  上弦の月だったけ
  ひさしぶりだね 月見るなんて

情景とともに、ほのかにシャボンの香りがするような気がします。
なお、上弦の月とは、向かって左側が欠けた半月のことで、右側が欠けた半月を下弦の月といいます。
遠いむかしに、理科で習ったこと覚えてます?(笑)

  ぼくはすっかり酔っちまって
  きみの膝枕にうっとり

こんな情景も、なんか憧れましたね。

  もう飲みすぎちまって 
  きみを抱く気にもなれないみたい

若かりし頃は、歌うだけで、どっきりとする歌詞でしたね。
うぶ(シャイ)で、真面目で、硬派だったぼくにとっては…。
…シーン…
…以上です。
…なお、本件に関する異議申立てはすべて却下します。(笑)

(初稿2000.10 最終改訂2001.11)



旅の宿

作詞 岡本おさみ
作曲 吉田 拓郎

浴衣のきみは 尾花のかんざし
熱燗徳利の首つまんで
もういっぱい いかがなんて
みょうに色っぽいね

ぼくはぼくで あぐらをかいて
きみの頬と耳は まっかっか
ああ 風流だなんて ひとつ俳句でもひねって

部屋の 灯をすっかり消して
風呂あがりの髪 いい香り
上弦の月だったけ
ひさしぶりだね 月見るなんて

ぼくはすっかり酔っちまって
きみの膝枕にうっとり

もう飲みすぎちまって 
きみを抱く気にもなれないみたい

1972年(昭和47年)
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