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「遠くで汽笛を聞きながら」―アリス

元アリスというグループの堀内孝雄さんのことを、演歌歌手と思っている人も、今では、多いかもしれませんね。
確かに演歌番組で、マイクを小指を立てて持ち、こぶしを握り締めて、「こぶし」を効かした歌いっぷりは、まさしく演歌歌手。
実際、1986年(昭和61年)に、NTV年末ドラマ「白虎隊」の主題歌として、ヒットさせた「愛しき日々」などは、まったくのド演歌と言っていいかもしれません。
しかし、その10年前の、1971年(昭和46年)に、堀内さんは、谷村新司さんとアリスを結成し、翌年「走っておいで恋人よ」でデビュー、そして、矢沢透さんも加わったアリスは、まぎれもなくニューミュージックの旗手でした。

今でこそ、歌手として、あるいは作曲家としての地位を確固として築いた堀内さんですが、アリスの頃のデビュー当時は、谷村さんの陰というか、毒の強さというか(笑)、に隠れていました。
矢沢さんがドラマーとして、わがみちを行くのに対して、ギターにしてもボーカルにしても、堀内さんは、谷村さんの亜流のような感じがしました。一人のミュージシャンとして、悩み続けた日々も多かったんじゃないかと思います。(う〜、長い前口上でした(^。^;)フウ)

  悩み続けた日々がまるで嘘のように
  忘れられる時が来るまで心を閉じたまま

見捨てられた訳じゃない…。
二人の道が、ここで別れただけ…。
恨みはしないわ、貴方のことを…。
これから私は、一人で歩いて行きます…。
(「演歌の花道」風に、イントロのところで読んでd(^-^)ネ!(笑))

  俺を見捨てたひとを恨んで生きるより
  幼い心に秘めたむなしい涙の捨て場所を

It is no use crying over spilt milk
覆水盆に返らずと言います。
捨てたのか、捨てられたのかは、実際のところは当事者でも難しいでしょうね。愛憎半ばにした関係ゆえに、決めつけるのは困難。
しかし、言えることは、人を恨んで生きるような、後ろ向きの人生ほど、むなしいものはないでしょう。

  せめて一夜の夢と泣いて泣き明かして
  自分の言葉に嘘はつくまい
  ひとを裏切るまい

裏切るひとと、裏切られるひと。
人の世のことだから、信頼関係が崩れていく過程の中で、必ずこのような役回りを、どちらかが持つ事になります。
裏切られるよりは、裏切る方が、一時の幸せはゲットできる。
でも、長い人生、どちらの方が自分の成長にとってプラスか。

  生きて行きたい遠くで汽笛を聞きながら
  何もいいことがなかったこの街で

時として、生きていくのが辛い、なんて思うこともあるでしょうけど、生きていけばきっと、何か良いことある…そう思いましょう。

…と、こう書けば、やはりこの歌、人生の応援歌…、おうえんか…
Oh!演歌、やっぱし演歌やったんや\(^o^)/(笑)


(初稿1999.10 未改訂)



遠くで汽笛を聞きながら

作詞 谷村 新司
作曲 堀内 孝雄

悩み続けた日々がまるで嘘のように
忘れられる時が来るまで心を閉じたまま
暮らして行こう
遠くで汽笛を聞きながら
何もいいことがなかったこの街で

俺を見捨てたひとを恨んで生きるより
幼い心に秘めたむなしい涙の捨て場所を
さがしてみたい
遠くで汽笛を聞きながら
何もいいことがなかったこの街で

せめて一夜の夢と泣いて泣き明かして
自分の言葉に嘘はつくまい
ひとを裏切るまい
生きて行きたい遠くで汽笛を聞きながら
何もいいことがなかったこの街で

1976年(昭和51年)
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