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「冷たい雨」―ハイ・ファイ・セット

   冷たい雨にうたれて 街をさまよったの
   もう許してくれたって いいころだと思った

なにごとにも、タイミング (timing)というがあります。
善は急げ…なんてこともいいますが、物事をするのにちょうどよい瞬間というのがあって、それをうまくつかまえる必要があります。
でも、この間合いをはかるのが難しいですね。

   部屋にもどって ドアをあけたら
   あなたの靴と 誰かの赤い靴

この状況…。
なかなか、素敵なタイミング、Good Timing ですね。(笑)
こんなチャンスは、滅多と与えられるものではありません。
与えられても欲しくはない!…でしょうけどね。(笑)

チャンスの神様というのがいて、その名の通り、チャンスを与えてくれる神様がいるそうです。…見たことはありませんが。(笑)
そして、この神様は、駿足の持ち主で、いつでも、全速力で走り回っているそうです。…会ったことありませんが。(笑)

しかも、この神様は、前髪はフサフサしているけれど、うしろはツルツルに禿げているそうです。
捉まえるには、この前髪を思いっきり引っ張って、つかまえる必要があるのですが、それこそ、思い切りとタイミングをはかって、前髪を握らないと、一瞬にして、駆け抜けて行ってしまいます。
このあたりは、養毛剤メーカーか、かつらメーカーに頑張ってもらって、是非とも救済してあげてほしいところですが。(笑)

   あなたは別の人と ここで暮らすというの
   こんな気持ちのままじゃ どこへも行けやしない

それにしても、この二人…というか、三角関係になってるから、三人なんでしょうが、奇妙な関係ですね。
この人間関係を、今回は、考察してみましょう。(笑)

まず、冷たい雨の中、街をさまよっていたAさん。
もう許してくれたっていいころだ、と言ってますから、なんか悪いことでもしたのでしょうか。
もし、悪いことをしたのなら、拘留または科料にあたる罪ならば一年、罰金にあたる罪ならば、三年を経なければ時効になりません。
三年くらい街をさまよっていたんでしょうか。(笑)

そして、Aさんの恋人であるあなた…、Bさん。
もちろんAさんが、何も言わずに飛び出していったのか、書き置きを残していったのか、洗いかけの洗濯物を残していったのか、それは知りませんが、Aさんが帰ってくるかもしれないというシチュエーションの中で、もう次の女に手を出して、家に連れ込むなんて…なんて、なんて羨ましい…、いや、もとい、なんて節操のない。(`´メ)

ほんでもって、赤い靴のCさん。
洗面所の二本の歯ブラシが見えなかったのでしょうか、トイレットペーパーの▽三角折が見えなかったのでしょうか。(笑)
気がついていたとしたら、相当の図太い神経の持ち主、気がつかなかったとしたら、あまりに無神経。

   冷たい雨が降るたび あなたを思うでしょう
   幸せに暮してなどと 願えるはずもない

ここで、Aさんが許しを請った悪いことというのが、浮気とかの異性関係ではなかったことが推測できます。
ほかに戻る場所がなかったわけですからね。(笑)
もっとも、自分が浮気しても、相手の浮気は許せないという人もいますから、一概には言えませんが。(笑)
ともかく、この期に及んで、幸せに暮らしてなどと願える人は、もう神様仏様の領域ですから、もう人間をやめることができます。(笑)

   夢の中に でてくるあなたは
   やさしい面影だけで たくさん
   だけど信じられない 突然のできごとが
   こんな気持ちのままじゃ どこへも行けやしない

夢の中に、Bさんだけが登場すればいのですが、たぶんCさんも出てきて、夢の中も、修羅場と化すのでしょうね。
まさしく、ナイトメア(nightmare−悪夢)の世界ですね。
Oh, My good ……Oh, mistake!  Oh, My God! (笑)

   彼女の名前 教えないでね
   うらむ相手は あなただけでいい

このフレーズは、なんか共感がもてます。

世の中において、男女の三角関係のもつれから、事件に発展する例が往々にしてありますが、その中で、よくあるのが、男性を寝取られた女性が、うらむ相手を、その男性ではなくて、寝取った女性に対して向けるということです。
彼が裏切ったのは、彼女のせい…、これは、心理学的に言えば、うらみ(恨み・怨み)ではなくて、ねたみ(妬み)に近いそうです。

うらみの感情は、だれかにひどい仕打ちをされて不快になった思いを、辛抱し続けた結果でてくる感情ですが、いずれにしろ、うらみの感情の元をたどれば、愛してもらいたい、気持ちをわかってもらいたい、といった、相手に対する「甘え」が満たされないときに、転じて、憎しみや怒りが生まれていくのです。

冷静に考えて見れば、相手が愛する対象を変えた、気遣う対象を変えたという厳然たる事実がある以上は、もう相手に対して「甘え」を期待すること自体がこっけいなことです。
事実を直視して受容するほか、すべはないはずです。

   涙こぼれるように 時もこぼれてゆくわ
   指と指のすきまを そしていつか忘れたい

…とはいっても、なかなか感情は理性と仲良くなってくれません。
冷えた身体を温めてくれた温もりの記憶が薄れるのには、冷たい雨がやんだあとも、多少、時間がかかります。

でも、また、人生というのは捨てたもんじゃなく、時の氏神という神様もいらっしゃるようです。(笑)
この神様は、ちょうどよい時に現れて、よい解決を与えてくれる人のことですが、少なくとも、チャンスの神様よりは、遭遇して捕捉する確率は高いでしょう。
たとえば、再び冷たい雨の中、飛び出したものの、冷たい雨に耐えかねて、雨やどりをしていたら、ひょっとしたら、スヌーピーのハンカチを差し出してくれるような人が現れる…と言ったこともあるかもしれません。(笑)

いずれにしろ、そんな神様が現れるまで、冷たい雨にうたれても、心だけは、風邪を引かさないようにしましょうね。

God bless you! お大事に!


「ハイ・ファイ・セット」は、1974年に解散した「赤い鳥」のメンバーのうち、山本(新居)潤子さん、山本俊彦さん、大川茂さんで結成したグループで、潤子さんと俊彦さんが結婚しました。
ユーミン、こと、荒井(松任谷)由美さんのカバー曲も多く、ユーミンサウンドを広めた功労者と言っても過言ではありません。

(初稿2002.10 未改訂)


冷たい雨

作詞/作曲 荒井由実

冷たい雨にうたれて 街をさまよったの
もう許してくれたって いいころだと思った
部屋にもどって ドアをあけたら
あなたの靴と 誰かの赤い靴
あなたは別の人と ここで暮らすというの
こんな気持ちのままじゃ どこへも行けやしない

冷たい雨が降るたび あなたを思うでしょう
幸せに暮してなどと 願えるはずもない
夢の中に でてくるあなたは
やさしい面影だけで たくさん
だけど信じられない 突然のできごとが
こんな気持ちのままじゃ どこへも行けやしない

彼女の名前 教えないでね
うらむ相手は あなただけでいい
涙こぼれるように 時もこぼれてゆくわ
指と指のすきまを そしていつか忘れたい

涙こぼれるように 時もこぼれてゆくわ
指と指のすきまを そしていつか忘れたい

1976年(昭和51年)
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