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「22才の別れ」―風

「神田川」を大ヒットさせたかぐや姫のメンバーであった伊勢正三さんと、元、猫というグループにいた大久保一久さんが結成したのが、風というグループです。

数曲のヒット曲を飛ばして、ほんとに風のように去って行きました。

「22才の別れ」という曲は、かぐや姫が解散する直前のアルバムにも納められているので、かぐや姫の歌とも言えますが、この風というグループがシングルカットして、大ヒットさせました。

いずれにしろ、メインボーカルは伊勢正三さん、こと「正やん」。
ちなみに、南こうせつさんは「おいちゃん」と呼ばれています。

  あなたにさよならって言えるのは今日だけ
  明日になってまたあなたの暖かい手に
  触れたらきっと言えなくなってしまう そんな気がして

別れの決心って、ほんとうに、なかなか、つかないものです。
そして、やっとの思いで、別れようと決心しても、それを相手に、なかなか告げられない。

ほんとに、嫌いになったのなら楽だけど…。
手の暖かい人って、心が冷たいって、言います。

でも、ほんとかどうか、僕には分かりません…。
僕も、どちらかと言えば、手が暖かい方ですから…。

  私には鏡に映ったあなたの姿を見つけられずに
  私の目の前にあった幸せにすがりついてしまった

鏡に映るということは、 「わたし」の後ろに、「あなた」がいるということですよね。
恋愛の初期には、向かい合って語り合っていた二人が、いつのまにか並んでいる…。

それはそれで、二人並んで同じ風景を見たときのように、同一の視点から見て、同じように感じるときなんかは、身も心も一体となったような至福の瞬間なんでしょうが…。

しかし…、いつのまにか、「あなた」の姿を見失ってしまう…。

  今はただ5年の月日が永すぎた春と言えるだけです
  あなたの知らないところへ嫁いで行く私にとって

永すぎた春は、夏を通り越し、一足飛びにして、秋から冬へと向かいます。まあ、いまどき、5年も続く恋なんて貴重品、いや骨董品かもしれません。(笑)

  ひとつだけこんな私のわがまま聞いてくれるなら
  あなたはあなたのままで変わらずにいて下さい
  そのままで

自分は心かわりして、結婚して幸せを掴もうとしているのに、あなたは、いつまでも変わらないで…なんて…、この女性(ひと)は、ほんとに、自分で言うように、わがままな人ですよね。(笑)

まあ、この女性(ひと)なりの、最後の思いやり、優しさなんでしょう。
ただ、ときとして、優しさは残酷なものです。

この歌が流行った時代はまだ…、男は夢を追い求め、女は家庭を求める…という図式があったような気がします。

男が夢にとらわれた代償に…、哀しい別れが…、でも、夢を抱きしめて一人でわが道を行く男性というのも、魅力的だというのは、時代遅れのひとりよがりに過ぎないのかな。

今回のBGMについては、最近、なにかと復活基調にあるシンプルなアコースティックな雰囲気の持ち味を活かしたものを、選びました。
懐かしさと切なさを感じられる人も多い…かなっ(笑)

ぼく自身の音楽の原点も、ここにあるような気がします。

アルペジオ、スリーフィンガー、ハンマリングと、実際のギター演奏で、これだけのテクニックを用いての演奏はかなり難しくて、これだけ弾ければアマチュアでも上位ランクでしょうね。

でもこれを聴くと、押入れの中から、すっかり使わなくなったフォークギターを出してきて、弾いてみたくなる人も多いんじゃないかな。

錆びた弦で指を痛めないようにd(^-^)ネ!

(初稿1999.12 最終改正2001.3)



22才の別れ

作詩/作曲 伊勢正三

あなたにさよならって言えるのは今日だけ
明日になってまたあなたの暖かい手に
触れたらきっと言えなくなってしまう
そんな気がして
私には鏡に映ったあなたの姿を見つけられずに
私の目の前にあった幸せにすがりついてしまった

私の誕生日に22本のろうそくを立て
ひとつひとつがみんな君の人生だねって言って
17本目からは一緒に火をつけたのが
昨日の事のように
今はただ5年の月日が長すぎた春と言えるだけです
あなたの知らないところへ嫁いで行く私にとって

ルルル……

ひとつだけこんな私のわがまま聞いてくれるなら
あなたはあなたのままで変わらずにいて下さい
そのままで

1975年(昭和50年)
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