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私は今、シンガーソングライターのさだまさしが歌う「風に立つライオン」を聴きながらこの記事を書いている。
この曲の詞は、アフリカで医療活動に従事する日本人青年医師が、日本に残してきた恋人から届いた結婚報告の手紙に対する返信の文面である。
曲の冒頭に流れるパーカッションを打ち鳴らす音で聴者の心をアフリカの大地に導き、間奏とエンディングに流れるゴスペルの“アメイジング・グレイス”が、壮大さと重みを加えている。
なにより詞が素晴らしい。
長文だが、実に美しい詞である。
広大で美しい自然の光景、貧しい中にあっても心と瞳の美しいアフリカの原住民、懐かしい日本の夜桜・・・そして、最後の詞にいたっては、私の頬を涙が濡らしてしまうのである。
「風に立つライオン」は、さだまさしのアマチュア時代からの知り合いである実在の医師・柴田紘一郎氏(長崎大学医学部卒業、後に宮崎県立日南病院長))から聞いた体験談に感銘を受けて作詞・作曲し1987年に発表した曲である。
柴田紘一郎氏は、「風に立つライオン」を収録したアルバム「さだまさしベスト」にコメントを寄せているが、その一節に次の文がある。
「“風に立つライオン”は小生のアフリカでの2年あまりの体験及び浅学菲才のゆえの雑談を医師を例にとり、人としての生き方をまさしさんの感性と才能で創作した曲である。
この歌は、現代人の心の不摂生のため、過剰にしみついた魂の脂肪に対する警告でもあるように聴こえる。
小生もアフリカの大地を通して学んだ事をすこしでも役立てて“風に立つライオン”のようになりたい。」
(初稿2010.3 未改訂) |