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「恋人よ」―五輪真弓

     秋の日の ヰ゛オロンの
     ためいきの
     ひたぶるに 身にしみて うら悲し

     鐘のおとに 胸ふたぎ
     色かへて涙ぐむ
     過ぎし日のおもひでや

     げにわれは うらぶれて
     ここかしこ さだめなく
     とび散らふ 落葉かな

この詩は、フランスの詩人、ポール・ヴェルレーヌ(Paul Verlaine)の秋の歌(Chanson d'automne)という詩を上田敏が海外の詩の翻訳したものを取りまとめた「海潮音」という詩集の中で「落葉」として紹介されているものです。

中学校の教科書にも登場するような有名な詩なんですが、いきなり、「ヰ゛オロン」の言葉でつまづく人も多いかもしれませんね。


?は、日本語の仮名の一つであり、ヰに濁点をつけた文字である。かつてラテン文字の vi の翻字として使われた。現在は「ヴィ」を用いる。



上田敏 『海潮音』


 寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば
   いづこも同じ 秋の夕暮れ

         良暹法師(70番) 『後拾遺集』秋・333

三夕 [編集]
三夕(さんせき)とは、下の句が「秋の夕暮れ」で終わる有名な三つの句のこと。

寂しさは その色としも なかりけり 槙立つ山の 秋の夕暮れ (寂蓮法師)
心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ (西行法師)
見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ (藤原定家)



   枯葉散る夕暮れは
   来る日の寒さをものがたり
   雨に壊れたベンチには
   愛をささやく歌もない

Chanson d'automne  Paul VERLAINE
Les sanglots longs
Des violons
De l'automne
Blessent mon coeur
D'une langueur
Monotone.

Tout suffocant
Et bleme, quand
Sonne l'heure,
Je me souviens
Des jours anciens
Et je pleure

Et je m'en vais
Au vent mauvais
Qui m'emporte
Deca, dela,
Pareil a la
Feuille morte.






   砂利路を駆け足で
   マラソン人が行き過ぎる
   まるで忘却のぞむように
   止まる私を誘っている



   恋人よ さようなら
   季節はめぐってくるけど
   あの日の二人 宵の流れ星
   光っては消える 無情の夢よ



   恋人よ そばにいて
   こごえる私の そばにいてよ
   そしてひとこと この別れ話が
   冗談だよと 笑ってほしい


五輪真弓さんは、1951年(昭和26年)1月24日、東京都中野区出身、1972年に。都立桜水商業高等学校卒業、1972年、アメリカで録音されたアルバム「少女」でデビュー。1980年にリリースされたこの「恋人よ」が大ヒットし、同年の第22回日本レコード大賞金賞を受賞するなど、我が国での評価も高まりました。

張り出したおでこが強調される中分けのロングヘアースタイルは、テレビアニメ「妖怪人間ベム」のヒロイン、ベラに似ているとも言われましたが、当時を知るマスター(館長) としても、否定できません。(笑)

容姿はさておきって、失礼ですが、繊細ながらやや低音の力強い声は、フランスなど海外での評価も高く、国際的な活躍をなさっています。



(初稿2009.11 未改訂)


恋人よ

作詞/作曲 五輪真弓

枯葉散る夕暮れは
来る日の寒さをものがたり
雨に壊れたベンチには
愛をささやく歌もない
恋人よ そばにいて
こごえる私の そばにいてよ
そしてひとこと この別れ話が
冗談だよと 笑ってほしい

砂利路を駆け足で
マラソン人が行き過ぎる
まるで忘却のぞむように
止まる私を誘っている
恋人よ さようなら
季節はめぐってくるけど
あの日の二人 宵の流れ星
光っては消える 無情の夢よ

恋人よ そばにいて
こごえる私の そばにいてよ
そしてひとこと この別れ話が
冗談だよと 笑ってほしい

1980年(昭和55年)
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